定期購読していた日経エコロジーが今月で終了。その10月号86ページの、「環境思想で考える」というコーナーで、海上知明さんという方が書いた、表題の記事を読みました。
千と千尋がアカデミー賞受賞の際、米メディアは、
- 「千はなぜカオナシをやっつけなかったのか?」
- 「千と白はなぜラストシーンでキスをしなかったのか?」
みたいな質問のオンパレードで、正義と悪を明白に区分したがる国民性があると感じたとのことです。
さて、宮崎駿作品「もののけ姫」では、
- 社会的な弱者を救済しようとする「たたら」集団
- 森林を守ろうとする山の荒ぶる神々
という2つの正義、言い換えるとヒューマニズムとエコロジーが戦っています。どちらか一方が完全に悪でない構図です。
またナウシカでは、
- 明らかに核兵器を彷彿させる「巨神兵」という「悪」を使って
- 恐ろしい毒で人間を死滅させる「腐敗の森」を焼き払おうとします
「巨神兵」は「開けてはいけないパンドラの箱」ではないか?しかしここでの選択は、「正義」ではなく、「より少ない悪」はどちらかというものだそうです。
そして、現代。アフリカの人口爆発と飢餓、砂漠化の問題を取り上げています。(人口爆発については、8/28の記事にも記述あり。)
- 貧困にあえぐ飢えた人たちを救え!と叫ぶ人がいる中、
- 救助活動が人口爆発の原因を温存し、拡大していると苦々しく思う人
がいるとのこと。
最後に作者は、両者の主張ともに極端であると感じ、人口爆発が悪であったとしても、だからといって
- 飢餓を放置しろと言える生活を自分たちは送っているのだろうか?
- アフリカの人たちの何十倍のエネルギーを使い、人口爆発に負けず劣らず地球環境を悪化させているのではないか?
と自問し、「もののけ姫のアシタカのように両者を結ぼうという努力が必要ではないだろうか。ただし、そのために「知恵」が必要になってくるのだが。」と締めくくっておられます。
かなり引用させていただき、まとめましたが、非常にすばらしいコラムだと思いました。